NYC to Boston (文ばかり)

「思考」というタイトルで何度も文章を書いたかもしれない。

人に伝えるために人は考えたり思いを巡らせたりするわけではない、

こんなことブログに書いたって、とか、こんなことみんな感じるでしょ。

と思ったりした瞬間、自分の思考をストップし文章化することを諦める。

 

自分の文章の癖としては、かなり「わかりにくい」「結論がみえない」「完全にマイワールドに入っちゃってる系」だと自分で思っているので、なかなか、書く気になれないし。時間を割いて、書くには、「今日こんなことをしました!」「今日こんな人と会いました!」「次のライブはこんなことをします!」とかっていうPR活動をSNS上にアップするのが一番効率的な自分の情報排出だと思う。

 

だけど、やっぱりこうしてニューヨークでの大仕事を終えて、ボストンに帰ってきて、歩いて、レッスンを受けて、景色を眺め、住んでいたころと同じヨガ教室に通い、そして古い友人に会い、案外古い友人はみな国に帰ってしまってほとんど残っていなかったと寂しい気持ちも感じながらも、変わらずそこにいてくれるボストンの景色に時々涙が出そうになっていることを、私はどうしても文章にしたくなった。

 

ニューヨークでのAnime NYC 菊地成孔さん率いる一座によるガンダムプレミアムライブは、成功に終わったとおもう。ニューヨークで2000人近くアメリカ人のファンが集まる場所で、アニメの挿入歌を歌い、100人以上のファンにサイン会に同席した。そんなこと、5年前、バークリー音楽院を卒業して日本に帰ることを決めた私には想像すらしなかった。多くの友人が卒業後ニューヨークに音楽活動をしに行ったが、私は日本に一緒に人生を過ごしていきたい大切な人たちがいた。だから日本にすぐ帰ってしまった。帰ってから、後悔こそしたことはないけれど、もしニューヨークかボストンにとどまれば、それはそれで楽しい時間が過ごせたかもしれないと思ったことはある。

 

要するに幸せだった。ニューヨークという地で、日本を代表する一流のミュージシャンに混ざり一緒に旅をして、「日本からのゲスト」として呼んでいただき、SUNRISE(ガンダムの会社)、 SONY、そして他にもたくさんのプロフェッショナルスタッフ(Back stage)の仕事に支えられた仕事の一部を担えたことが。同時に私はまるで、「山頂に空っぽのリュックを背負って登りきり、山頂で飢え死にするのでは」というような不安感にも苛まれた。

 

これがどういうことが、掘り下げるのは、また今度にするし、いまここで説明する何かではないと思っている。

 

ニューヨークの本番を終えるまでは、それなりに緊張もしており、

「途中で歌詞が消えたらどうしよう!?」「衣装がきわどいから太れない、、、」「肌荒れは大丈夫か」とか歌手として考える様々な不安要因により、100パーセント旅行気分にはなれないわけで、(当たり前だ仕事なんだから笑)イベントを終え、菊地成孔一座のみなさまが帰国するなか、私だけボストンに移動。4泊ほど延泊させてもらった。

 

ボストンにくると、、

とはいえ、人に役割や、自分を必要としてくれる仲間や愛する人がいなければ

どんなに美しい街でも、時にとてつもなく寂しい虚無感に襲われる。

 

菊地成孔さんが、ライブ終了後の打ち上げで、スタッフのみなさんの前で話していた言葉が心にとても強く残った。「僕は、海外に向けて、海外進出を考えて音楽をやっているわけではありませんが、自分の音楽、および自分を取り巻く素晴らしい才能たちは日本国内、国外、関係なくどこにいっても感動を生むものだと信じています」

 

私は、その言葉をいつか自分も自信もって、誰かに言えるような表現者になりたい。

 

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「Ai Ichikawa presents My Grown Up X’mas Live」
日程:2017年12月9日(土)開場12:00/開演12:30
会場:代官山 晴れたら空に豆まいて
料金:3,300円(税込)+1ドリンク代別
問い合わせ先:晴れたら空に豆まいて TEL:03-5456-8880

市川愛 (Vo)平岡遊一郎(Gt)森田真奈美(Pf)